Premiere Pro書き出し完全ガイド

AdobePremierePro

はじめに

書き出しの重要性とは?

動画編集の最後の工程である「書き出し」は、完成した映像を実際に配信・共有できる形に変換する作業です。編集ソフトの中だけで作業していたデータを、YouTubeやSNSにアップロードできる形式に変える重要なステップとなります。書き出しを正しく行わなければ、画質が落ちたり、再生できないファイルになったりすることもあるため、非常に大切な工程です。

ショート動画とロング動画の違い

動画を作成する際は、目的や配信プラットフォームによって「ショート動画」と「ロング動画」を使い分ける必要があります。

  • ショート動画:主にInstagram Reels、TikTok、YouTube Shortsなどに最適化された短尺の動画(通常60秒以内)。縦型(9:16)が主流で、スマホ視聴を意識した形式です。
  • ロング動画:YouTubeやVimeoなどで配信される数分〜数十分の動画。横型(16:9)が一般的で、解説動画やVlog、商品紹介などに向いています。

この違いを理解したうえで書き出し設定を選ぶことが、視聴者に最適な形で動画を届ける第一歩です。Premiere Proでの書き出し設定画面の解説

動画の編集が終わったら、いよいよ「書き出し(エクスポート)」です。ここではPremiere Proの書き出し画面の見方と、初心者がまず押さえておくべきポイントを解説します。

書き出し画面の開き方

左上の書き出しボタンで開けます。

その他に

  1. タイムラインで書き出したいシーケンスを選択
  2. 上部メニューから 「ファイル」→「書き出し」→「メディア」 をクリック

でも書き出し画面が開きます

基本情報の確認

書き出し画面の左側には保存先や形式が並び、中央~右側でプレビューや設定を確認できます。

  • ファイル名
     保存する動画の名前を入力します。例: final_movie.mp4
  • 場所
     動画の保存先を指定します。デスクトップや外付けHDDなど、分かりやすい場所を選びましょう。
  • プリセット
     「Match Source – High Bitrate」などが選択できます。初心者は基本的にこのままでOKです。用途によって変更します(YouTubeやTikTok向けプリセットなど)。
  • 形式(Format)
     一般的には H.264 を選びます。
     → 拡張子は .mp4 になり、YouTubeやSNSで使いやすい形式です。

プレビュー画面

中央には動画のプレビューが表示されます。ここで映像が正しく出力されるか確認できます。

  • 下部に時間(再生バー)が表示され、書き出し範囲を「全体」や「一部」に設定することも可能です
  • 不要な部分をカットして書き出したい場合は、この範囲設定を活用しましょう

出力設定の確認

画面右下に「出力情報」が表示されます。

  • ビデオ: 解像度(例: 1920×1080 / フルHD)、フレームレート(59.94fps など)
  • オーディオ: AAC / 320kbps / 48kHz ステレオ が一般的
  • 予測ファイルサイズ: 仕上がりの容量を事前にチェックできます(例: 68MB)

書き出しの実行

準備ができたら右下の青い 「書き出し」 ボタンをクリックすれば完了です
(または「Media Encoderに送信」を使って並列処理する方法もあります)

ショート動画(Shorts/TikTok/Instagram Reels)向け書き出し

推奨解像度

  • 1080 × 1920(縦動画・9:16)
    → スマホで全画面表示される仕様

設定手順(Premiere Pro 書き出し画面)

  1. [ビデオ]タブ → 基本ビデオ設定 を展開
  2. 「ソースに合わせる」のチェックを外す
    • これで「フレームサイズ」が編集可能に
  3. 幅=1080、高さ=1920 を入力

ロング動画(YouTube・Vlogなど)向け書き出し

推奨解像度

  • 1920 × 1080(横動画・16:9)
    → 一般的なYouTube動画の標準サイズ
  • 4K対応の場合は 3840 × 2160(16:9) に設定してもOK

設定手順(Premiere Pro 書き出し画面)

  1. [ビデオ]タブ → 基本ビデオ設定 を展開
  2. 「ソースに合わせる」のチェックを外す
    • これで「フレームサイズ」が編集可能に
  3. 幅=1920、高さ=1080 を入力(4Kなら 3840×2160)

まとめ

動画編集の最後のステップである「書き出し」は、完成した作品を視聴者に届けるための大切な工程です。正しく設定しなければ、画質が落ちたり、意図しない形式になってしまうこともあるため、初心者のうちから基本を押さえておきましょう。

  • 書き出しの基本
    • 一般的な形式は H.264(.mp4)
    • 「Match Source – High Bitrate」プリセットを使えば初心者でも安心。
    • プレビューで範囲や仕上がりを確認し、右下の「書き出し」で実行。
  • ショート動画向け
    • 推奨解像度は 1080×1920(縦・9:16)
    • スマホ視聴を意識し、テロップは画面中央寄りに配置。
    • 投稿先(YouTube Shorts/Instagram Reels/TikTok)の上限時間を意識。
  • ロング動画向け
    • 標準は 1920×1080(横・16:9)
    • より高画質を求めるなら 3840×2160(4K) にも対応可能。
    • 長時間動画ではファイルサイズやアップロード時間に注意。

初心者の方は、まず 「ロング動画=1920×1080」「ショート動画=1080×1920」 を意識するだけでも十分です。慣れてきたらビットレートや書き出し形式を調整して、さらに高画質・効率的な書き出しを目指しましょう。

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